キットの余白

唐突だけど、三発機ってロマンだと思いません?

って圧高めに切り出しましたが、以前からプロペラの三発機が欲しいなぁと思っていたところに、ITALERIのJu 52/3m "See"がゲットできたので作ろうと意気込んでいたのですが、いかんせん1/72だとちょっと大きすぎる。でも三発機はつくりたい。そこで1/144くらいの手ごろなのはないかと物色していたところ、ズベズダが1/200を出しているということで、作ってみました。

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キットはこんなかんじです。新鮮だったのは、ボディがモナカ構造というか貼り合わせで作るのではなくて、そのまま樹脂の塊だったことです。なので、パーツを外して、ナイフでバリを除去し、組んでみると5分で形になりました。しかもスナップフィット。

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ストレスフリーで形になるので、あとはシルバーリーフのスプレーで機体を塗装。うんうん、ジェラルミンの感じが上手くできたかも。そして窓とコックピットはニシオモケイテンさんのお勧めでネイビーブルーに塗装。あっという間に完成しました。

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手元にこんな素敵な三発機が時間もかけずに置けるなんて素晴らしい。でも、心残りだったのはボディが内部構造も作れない樹脂の塊だったこと。出来上がりも早くなるし、見栄えもいいので、この設計で満足なんですが、樹脂に埋まって機体内部を作る可能性がほぼないと思うとちょっと物足りなく感じてしまいます。

この気持ち、ちょっと深めてみると、僕が飛行機プラモに求めているのは「可能性」なのかもしれない。プラモの箱に思い入れがあるのは箱の中に未完成のキットが存在しているということに、しみじみと幸せを感じるから。キットの内部空間を好ましく思うのは、内部構造を作ることができる可能性を手中にしているから。ということは、僕が買っているのはキットではなくてキットが作り出す空間であり、どのようにも作ることができる可能性なのかもしれない。余白は単体では存在できない。周囲の構造があって初めて余白は定義される。そんなことをボンヤリ考えながら作ったプラモでした。