雑学に話を見失う。

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ここ最近、TwitterのスペースでNippperのトークイベントやいろんなモデラーの方たちのスペースを聞くことで模型モチベーションが高まってきました。学生時代からラジオが好きだったので、模型製作とラジオのようなスペースは相性がいいみたいです。

そこで、週末金曜の夜にNippperでエデュアルドのウィークエンドエイディションを紹介していたこともあって、シンプルなキットに手を伸ばしました。それがKPModelのAVIA CS-199です。

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キットはこんな感じでした。Airfixの袋キットあたりと同じくらいのパーツ数です。でもAirfixと違ってキットの嵌合はおおらか。モナカを貼り合わせてもピッタリとはいきません。でもいいんです。週末を楽しむお供なので。

で、今回はプラモが主役ではなくて、こちら。箱なんですね。

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どうです?すごいでしょ?上の箱はカラー印刷した紙を貼っていて、下の箱にいたっては、糊代も設けず、ホチキスを止めた後に直角に曲げて箱に加工するという力業。そして、この下の箱、再生紙なんですよね。よーくみると、再生前の紙の破片や髪の毛みたいなものも入っている。再生紙としては極めて質が低いやつです。漂白すらしていない。

こういう再生紙って、本邦では江戸時代から続く再生紙で「浅草紙」と呼ばれたりしていました。浅草あたりに再生紙業者があって、江戸中から集めた反故紙を溶解して型枠に流し込み、再生紙を生産していたのです。反故紙なので墨がついており再生紙も薄墨色だったとか。

ちなみに、型枠に流し込む作業からヒントを得て海苔の「板海苔」が生まれ、煮て溶解された紙が型枠で冷えるまでのアイドルタイムの時間潰しに職人が遊ぶ気もないのに吉原をぶらいつて遊女にちょっかいをかけることを指して「冷やかす」という言葉が生まれたのだそう。

江戸時代に浅草紙のような低品質の再生紙が普及していたのは、正規品の紙がびっくりするほど高価だったから。とすればこのキットがリリースされた当時の社会主義国チェコ=スロヴァキアでも業務用のボール紙は高価だったのかも、なんて思いながら捨てずに捨てられず眺めた日曜日の夕方でした。今夜は手巻き寿司で海苔が食べたい。