あの日の自分と対話する

自分がプラモデルを一番作っていたのは小学校高学年のとき。色も塗らずにそのまま組んでデカール貼って終わりという簡単な遊びだったけど、自分の部屋の衣装ダンスの天面を駐機場に見立てて遊んでいた子どもだった。

当時の好みはミリタリー路線で、その中でもF-104スターファイターがお気に入りだった。ハセガワのマルヨンで自衛隊機を作った後、どういうわけか田舎のプラモ屋で見かけ、一目惚れしたのがこのカナダ空軍仕様のレッドインディアンだった。オークションサイトで探したらあったけど、イタレリだったような気がするんだよなぁ。気のせいか。

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ハセガワよりははるかに高価なこのプラモデルを手に取っての初めての輸入プラモ体験の結果は散々。

まず、樹脂の性質が全く違って、パリパリのモナカのようなプラスティック。ちょっと力を掛け間違えるとあっというまに割れてしまう難しさ。成型色こそ赤色で塗装できない自分にとってはありがたかったけど、それも薄くてなんかチープ。小学生の思考力なんてそんなもんである。文句ばかり。

 

で、結局、自分の技術力を棚に上げて散々な結果となったレッドインディアンはデーカール貼り作業に達することなくゴミ箱行きになったのである。残念。最近、そのことを思い出して、当時は何を作りたかったのか?ということをずっと考えていた。つまり、何に惚れたのだろうかと。

自分は真っ赤なスポーツカーのような惚れ惚れとするマルヨンのシェイプにマッチした白の矢、黒のノーズコーンのシックさ。これが見たかったんだという結論に。で、作ってみましたよ。今の諸々の条件の下ではこれが精一杯。そもそもオークションでしか手に入らないプラモなのでハセガワのCF-104で代用。今回はカラーリングの再現に絞りました。

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実際作ってみてどうだったかというと、これが結構満足だったんですねー。また次はこうして再現してみたいっていうのがポジティブに思い浮かぶような体験になりました。子どもの頃に忘れた宿題が半分くらい終わった気分になりました。