自分を投影させるプラモ

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F-15という戦闘機、すでに運用開始から44年という息の長さで日本の空もこのF-15Jで長年守られている。ステルス云々が始まる以前の戦闘機にあって、F-15はイーグルという愛称に相応しく、戦闘機デザイン上の頂上じゃないかと個人的には思っている。しかし、このF-15、デザインが洗練されすぎていて僕の中ではどうも魅力に欠けてしまうところがある。

美しい。美しいのだけど、美しすぎて個性がないというところだろうか。F-15ファンの方たちは、なにとぞ怒らないでほしい。F-15のデザインの美しさに異論はまったくないし、デザインの美しさで1機挙げるとすれば僕でもF-15を挙げたくなるのだから。

どうやら僕が魅力を感じるのは削ぎ落としたようなデザインの極値のような飛行機よりも、ちょっと個性的な特徴をもった飛行機のようだ。確かにここ1年で作ったキットも、ヴァンパイアやマジステール、パンサーにドラケン、トゥンナンとどれも個性的な魅力に溢れるものばかり。

そんな僕のところに本日届いたキットがこれ。Hellerの1/72、DH 89 Dragon Rapideだ。作例もたくさんある有名な機体だけど、僕が惹かれたのは袴のようであり、昔のJKのルーズソックスのような野暮ったさを持った双発エンジンと一体化したギア、張り線が巡らされた複葉機であるところだ。決して洗練されたデザインというわけではない。こういう野暮ったいところに自分を重ね合わせて、その機体が大空を優雅に飛ぶところを想像するのが楽しい。コンプレックスの裏返しなのかもしれないと思いながらも、無事、翼を広げられるように大事に作っていこうと思った。組み立てと塗装と張り線を考えながら組み立て順を再構築していく作業を組み立て説明書を読みながら構想しているのだけど、この時間が一番楽しいかもしれない。